道志の森の、雪が見たくて

雑記ノート

今週は火曜日に、もうひとつ休みがある。

行ってみようか、道志の森へ、雪を見に。

 

先日の8、9日の積雪は本当にすごかった。都心での27cmの積雪は戦後3番目の記録らしい。金曜日の時点で土日の雪上キャンプを予定していたが、翌朝目覚めてめげてしまった(笑)。

キャンプに行く前に、家の前の雪かきをしないと車が出せない。出せたとしても、方々の高速道路は通行止め。キャンプ場も営業しているかどうかも分からない。しかも強風で、雪けむりが視界をふさぐ。

 

ちょうどソチのオリンピックも始まったことだし、こんな日はおとなしく家でテレビ観戦をしよう。そう、のんびりと。

台風の荒波でサーフィンをするような無謀な行動は慎もう。

もう何10年もオトナをやっているのだから。

 

それしても、よく降ったものだ。

腰をポンポン叩きながら、雪かきに汗を流した週末。

 

でも、今週は火曜日に、もうひとつ休みがある。

行ってみようよ、道志の森へ。道志の雪を見に。

横浜から東名に乗り、厚木経由で道志に向かう。
道志みちに入ったのは、ちょうどお昼ごろ。
気温もそこそこ高いので、路面の凍結はない。
でも、道の両脇に自然と追いやられた雪のかたまりは、今にも崩れそうだ。普段にも増して狭くなった道を、対向車に注意しながら道志の森を目指す。

 

冬期閉鎖の音久和キャンプ場の両国橋のあたりから、路面にも、雪のかたまりと轍が見え始め、運転がさらに慎重になる。

 

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「道の駅どうし」は、さすがにひっそりとしていた。休日とは言え、大雪の後のこと。仕事以外は、この道は通らないのだろう。

 

 

さあて、横浜を出て2時間あまり。どうにか、道志の森キャンプ場の入り口にたどり着いた。一面真っ白な雪景色。目が眩む。

 

 

問題はこれからだ。キャンプ場の管理棟まで1Kmの坂道。はたして上り切れるだろうか(汗)。

見たところ、アスファルトの路面がむき出しになっている。たぶん大丈夫だろう。誰かしらキャンプをやっているかも知れない。

よし、行ってみよう♪

 

 

道幅はどんどん狭くなるが、何とか行けそうだ。

 

キャンプ場に着いたら、今日は日帰りなので、せめてタープを張って、焚き火をして、昼飯はラーメンにしよう。そろそろお腹がペコペコになってきた。

 

 

坂道を半分くらい上ると、様相が一変した。雪がどんどん深くなってきた……。

 

ボルボが、雪を掻き分け、ラッセル車になる……。

 

ソチオリンピックで、上村愛子が活躍したモーグルのコブのようなかたまりも随所にあり、ボルボが、ボコボコと踊る……。

 

 

振り返ると、

 

 

でも、これだけ轍が出来ているんだから、キャンプ場には人がいるんだろう。もう少しだ。よし進もう。

 

あ、看板が見えてきた。「お好きなテント張場を確認したら、管理事務所で受付を」と、書かれてあるキャンプ場手前の看板。

とうとう着いたか(笑)。

 

 

うん? 待てよ。看板の左向きの矢印が示す通り、看板の手前に道があって、ここからもキャンプ場に入れるはずなのだが……。

 

何なんだ、この雪のかたまりは。これを搔き分けて入るのか!

 

いや、待て、落ち着こう。

この入り口は、今日は閉鎖なのだ。これだけの雪が降ったんだ。

しょうがない。

 

たぶん、大きなプールと管理棟に通じる、もう少し上の入り口が開いているのだろう。そこまで行けば何とかなる。がんばろう。

それにしても、この辺りはすごく積もっている。ゆうに、1mは超えていそうだ。

 

だが…、その希望はもろくも崩れた……。

 

管理棟入り口の看板が雪に埋もれている。

 

三ヶ瀬川に架かる橋を渡れば管理棟だ。ここは覚悟を決めて、雪を掻き分けて前進しようか。ただそれは時間的にきびしい。日が暮れてしまう。向こう側がどうなっているのかも分からないし。

今日はちょっと無理か……。

 

 

橋の上に、誰かが歩いた足跡が残っている。ただ、昨日今日の足跡ではない。と言う事は、今日は誰も渡っていないと言う事か。

仮に、先日の土日の大雪から、猛者キャンパーが滞在しているかも知れないが、管理人さんはいないな。

 

 

それにしても、あまりにも静かだ。

 

  

そうだ、管理人さんに電話してみよう。

せめて営業しているかどうかだけでも確認しておこう。

 

呼出し音が何度か鳴って、管理人さんが電話に出た。

 

 

「あ、今日はお休みいただいてます。だってこんな雪じゃ、まともに歩けないから、誰も来ないすよ」

 

「…ま、そうでしょうね、ハハハッ

 

「ええ、そうですよ、ハハハッ」

 

と言うことですか。

 

常識的に考えれば、3日前に、海抜1000m近い道志の森にも、記録的な大雪が降った訳だから、このような状況は充分予測出来たはず。何10年もオトナをやっていれば分かるはずだよね(汗)。

 

「ボク、今日キャンプに来たんで~す」と言える訳もなく電話を切ってしまった……。

 

 

その、オトナの判断力のなさはさらに続いた。

ここに来て、今ごろ気が付いた。

 

この一本道、Uターンが出来ない。

 

両脇に積もった雪の壁のため、道幅と車幅がほぼ同じ幅。

車の逃げ場がない。

 

この坂道をさらに上るとどこに出るんだろう?

 

やはり、スコップで雪を削って方向転換するか?

 

どうしよう……。

 

1000m、バックしようか?……。

 

山に登って遭難するのは、たぶん自分みたいなタイプだと思う。

 

今日は、キャンプはしてないけど、また反省会だ。トホホ。

 

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帰りは、往路とは逆に、道志みちを山伏キャンプ場の方向にさらに上り、規制が解除された山中湖経由の国道138号線の長い坂道を一気に下って、御殿場から東名に乗った。

 

途中のコンビニから眺めた、富士のお山が実に美しかった……。

おまえはアホだなと、富士のお山が苦笑いしているようにも思えたが(笑)。

 

道志の森でタープを張って、ラーメンを食べたかったな。

サッポロ一番の醤油を(塩ではなく醤油を)。煮玉子入りで。

 

 

でも、目的は達成出来た。

 

「道志の森の、雪が見たくて」

 

そりゃあもう、存分に存分に堪能いたしました。

今夜、掻いても掻いても無くならない雪の夢にうなされるかも知れないけど(笑)。

 

(補記)

ま、もし翌日が休日なら、「とりあえず雪かきをして道を作っておきますから、今日キャンプしていいすか」って、管理人さんにお願いしたかも知れない、うん、絶対お願いしたと思う(笑)。

 

 

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